典型的プリンセスアニメが一変!
カートゥーン(漫画)と実写の融合した映画といえば、ロジャーラビットのそれから使いまわされてきた技法ではありますが。
「それらの世界を行き来する」形としては、比較的先駆けの作品ではないでしょうか。
セオリー通りに「お姫様」と「王子様」が出会う
本作は14分のアニメーションからスタートします。
おとぎ話の世界アンダレーシアに住むジゼルは「真実の愛」を夢見るプリンセス。そしてエドワード王子と出会い、その日のうちに婚約。
それはそれは典型的なお姫様と王子様の出会い。しかしアンダレーシアではごく自然な出来事です。
ジゼルはなんら疑問を抱くことなく、この展開を受け入れます。
『美女と野獣』以来のCG技術に偏ってきたアニメ制作に抗うように、往年のアナログなアニメバージョンを起用しているのも、またアニメ感があっていいですね。
典型的「悪い魔女」のイレギュラーな所業
お姫様が王子様と出会ったところで、もちろんお約束のヴィラン(悪役)が登場します。
それは女王の座を奪われることを危惧した、王子の継母で「悪い魔女」のナリッサ。彼女の呪いによって、ジゼルは別の世界に送られてしまいます。
意地悪な継母かつ悪い女王、そして呪い。
ここまでは典型的ですが、その呪いによって飛ばされた先が現代のニューヨークというのが意外とトリッキーかもしれません。
ジゼルがニューヨークにたどり着いた場面から、画面はアニメから実写となり、エイミー・アダムス扮するジゼル姫が街中をさまよいます。
現代に迷い込んだプリンセスは…
少女には本物のお姫様、大人には頭のおかしい女性
見知らぬ場所、見慣れない景色。
戸惑うジゼルは、お城を見つけて駆け寄ります。しかしそれは誰が見てもわかる張りぼてのお城。
そんなチープなお城のドアを懸命にノックするドレス姿のジゼル。
偶然そこを通りがかった幼い少女モーガンは、「本物のお姫様がいる」と父親に報告します。
シングルファザーであり弁護士のロバートからすれば、様子がおかしい女性としか言いようがありません。しかし真に困り果てている「お姫様」を放置するわけにもいかず、娘に請われるままに保護する羽目になります。
姿かたちだけでなく心も美しいプリンセス
その後しばらく生活を共にすることになった3人。
彼女を本物のプリンセスと信じ(事実本物ですが)母親のように慕うモーガンに対し、彼女のプリンセス然とした言動にただ戸惑うロバート。
しかし一緒にいるうちに、ジゼルのピュアで迷いのない清廉さに、次第に心を奪われていくのです。
とにかくエイミー・アダムスがスーパーかわいい。
『ナイト ミュージアム2』で、世界初の女性パイロットアメリア・イアハートを演じるなど、スイートな印象はあまりない彼女ですが、この作品ではリアルお姫様。
アニメからそのまま出てきて違和感のない、非常に透明感のあるキュートさだけでも、この映画は大成功と言えます。
いい感じでぶちこまれるミュージカル
アニメさながらの動作がかき乱す実写世界
実写の世界でも、ジゼルのアンダレーシアでのプリンセス能力(?)は健在で、ミュージカル調に歌い出せば、ハトやネズミ、はてはゴキブリまでも彼女の意のままに踊り出し、彼女の意のままに手助けをしてくれます。
新しいドレスが欲しい!とカーテンに、典型的「カトゥーン」さながらドレス型の切り込みを残し、小鳥たちと歌いながら裁縫する様は、完全にネタながらすさまじく愛らしい。
そして遅ればせながら、王子様らしくジゼルを救いにエドワードがやってきます。
彼もジゼル同様、大仰な動きをするわ急に歌いだすわ。しかし実写の世界で浮きまくって途方に暮れることになります。しかしその哀れな挙動もご愛敬。
人の恋路もマイペースに踏み込むも
実はロバートには、5年来のガールフレンドナンシーがいました。
彼女はNYのザ・バリキャリで、当然リアリスト。突如現れたジゼルに不信感とライバル心をむき出しにします。しかしジゼルの手助けで成功した、ロバートのロマンティックな演出を喜ぶなど、素直で乙女な部分も。
とはいえその賢さゆえにジゼルとの間で揺れ動くロバートの心情を感じ取り、悩み苦しむことに。
自分の生き方に疑問を持ち始めたプリンセス
ニューヨークでの生活になじみ、ロバート父娘と心を通わせるうちに、ジゼルはずっと信じていた「お姫様と王子様」のあり方に少しずつ違和感を覚えるようになります。
そして新たに湧き出る感情に戸惑いつつも、それに対してどこかで喜びを感じ、従来のプリンセス像に反する「冒険心」を募らせていきます。
果たして、彼女の本当のエバーアフターとは。
ディズニーアニメさながらに、実写の中で突然始まるミュージカル。もともとプリンセスアニメファンはもちろん楽しめますが、さほど好きでなくてもその完成度には引き込まれるはず。
始めの「お姫様」然としたジゼルも超かわいいのですが、モーガンのアレンジで「現代風」にコーディネートされた姿も、超絶かわいい。
ディズニーアニメのプリンセスが、現代のニューヨークに現れたら?
大人の女性こそ、ぜひプリンセスの気持ちで!彼女の活躍を応援してみてくださいね。


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